『立華高校マーチングバンドへようこそ』感想
終業間際に『ユーフォ:佐々木梓考』というエントリーを書いて、帰りに『立華高校マーチングバンドへようこそ』の後編を買ってきた。
真っ先に一番最後を読む。エピローグ、それから少しずつ遡り、結末を知る。
ユーフォの秀一展開があって、この作者のことは信用していない。まったく信用していない。だから、後ろから読む。
今度ばかりは前編の流れを汲んだ結末になっているかと思ったら、全然そんなことはなかった。また裏切られた。
勝手に期待しただけだろうと言われるかもしれない。
ただ、前作だって1巻の内容でくみれい展開を期待し、最後の秀一展開で裏切られたと感じた人が実際に多かった。
これは作者のミスリードだ。もはやわざとやっているとしか思えない。
前編で芹菜という女の子は、梓にとって苦手な存在としてしか描かれていない。
地の文で「存在を意識するようになったのだった」などと書かれてはいたが、むしろ「いやいや、どうしてこの展開でそうなるんだ?」という内容だった。
まさかあの一文で、この芹菜展開を示唆したとでも言うつもりなのだろうか。
もはやじっくり読む気も起こらず、帰宅してからパラパラと流し読みした。
あみかとはどんどん離れていく。梓が無意識に突き放し、志保によって気付かされる。先に突き放したのはあみかの方だと言う。
依存していたのはあみかの方ではなく、梓の方だった。その辺も、思っていた通りの展開だ。悪くない。
ただ、そんなあみかとの関係で過去を思い出し、どんどん芹菜展開になっていくのはなんなんだ?
あみかとは最終的には折り合うが、前編のような雰囲気はない。対等な友人になったということなのかもしれないが、違う。こうじゃない。
自分の二次創作で久美子と麗奈を書いているが、二人ともべったりで共依存だが、対等であり、芯のある自分を持っている。対等と依存は共存できる。あみかが前編で言っていた梓のことを好きだという気持ちを、もっと大切に扱ってほしかった。
もうわけがわからない。この作者の展開はまったくわけがわからない。
久美子も麗奈も、香織も葉月も、そして梓もあみかも、みんな魅力的なのに、どうしてことごとくこういう展開になってしまうのか。
すごくいい食材が、意味不明な味付けで調理されて並べられた感じ。
自分の味覚が変なのかもしれない。しかし、繰り返すが前作の秀一展開で幻滅した人は多く、今回の芹菜も前編にはそんな展開のかけらもなかった。
もういい。俺が書く。
中学時代、孤立して、友達もおらず、高校で変わろうと頑張って、初めて出来た佐々木梓という大事な友達。
頼られる自分が好きであみかを利用してしまったことに気付き、改めてあみかという同級生を見つめ直す梓。
この二人の間に、芹菜という存在はまったく必要ない。
【2016/09/30 追記】
ということで、梓×あみか展開のアナザーストーリーが書き上がったので、このブログから初めて自作にリンクする。
検索で来てくださり、どうも原作の梓とあみかの関係が不完全燃焼だった百合の同士は、是非一度お読みくださいm(_ _)m