『響け!ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』あらすじ
アニメの2期が始まったこともあり、ユーフォ原作の2巻を久しぶりに読み返してみたら、細部が自分の記憶と違っていたので、自分のメモがてら残しておく。
ネタバレありというか、ネタバレしかない内容なので、原作を読んでいない人はご注意を。
優子、希美、みぞれ、夏紀は同じ南中出身。優子、希美、みぞれの3人は中学から吹奏楽部だったが、夏紀は帰宅部だった。
みぞれは楽器になど興味がなかったが、希美が誘ってくれたので吹奏楽部に入った。
人と話すのが嫌いで友達もいないみぞれにとって、幼なじみでずっと仲良くしてくれる希美は本当に大切な友達だった。
みぞれが吹奏楽を続けるのは希美と一緒にいたいためだった。楽器だけが、唯一みぞれと希美を繋ぐものだった。
そんな希美が、みぞれに何も言わずに部活を辞めてしまった。
みぞれは誘われなかったことにショックを受ける。希美にとってみぞれは、たくさんいる友達の一人でしかなく、特別ではない。
その現実を知るのが怖くて、希美を避けている。
「その現実と向き合うのが怖い。あの子にとって私は大した存在じゃないって、それを突きつけられるのが怖いの」
希美は中学の時、吹奏楽部の部長だった。熱血で、夏紀とは対極的な存在だった。
3年間帰宅部でだらだら過ごした夏紀は、中学を卒業する時にそんな自分の生き方に疑問を抱く。
だから、高校では希美と同じ吹奏楽部に入ることにした。希美は夏紀の憧れだった。
ただそれでもまあ、夏紀の根本が変わるでもなく、当時やる気のなかった北宇治の吹奏楽部は、夏紀には居心地の良い場所だった。
希美にはそうではなかった。
元々先輩たちと折り合いは悪かったが、コンクールのメンバー発表で、自分たちだけでなく、香織たちもBだったことで、完全に決裂した。
希美たちは部活を辞め、多くは軽音部に行ったが、希美は踏ん切りがつかずに、地元の社会人の吹奏楽団体に所属することにした。
その時優子も誘われたが、優子は香織に引き止められたので部活に残った。
希美がみぞれに声をかけなかったのは、かける必要を感じなかったから。
みぞれは北宇治で唯一のオーボエでA編成だった。
久美子はその話を聞いて、希美はみぞれに嫉妬したのではないかと思ったが、恐らく本当にそんなことはなく、希美はその必要を感じなかったので声をかけなかった。
その後も希美はみぞれの友達だと思っているし、みぞれに避けられているとも思っていない。
さて、希美が辞めた時、希美はあすかに引き止められた。
しかし、感情的になっていた希美は、結局それを聞かずに飛び出した。
もし戻るなら、あすかから許可をもらわないと戻らないと宣言した。
後日、滝が顧問になったことで部活の空気が変わり、希美は部活に戻りたくなった。それであすかに頼みに行ったが、断られる。
理由はみぞれが希美を避けていたせいだが、あすかはその理由を希美には話さない。
希美の方ではみぞれに避けられているなどとは思っていないので、さすがにそれをはっきり伝えるほど鬼ではないと、あすかが自分で言っている。
なお、この理由を優子は知っていて、優子は希美のその鈍感さに腹を立てている。
はっきりとそういう記述があるわけではないが、ずっとみぞれの傍にいながら、みぞれが希美のことばかり考えているので、少なからず嫉妬心もあったのかもしれない。
夏紀はこのことを知らない。
希美の部活に戻りたいという願いを叶えるため、あすかに掛け合う。
それは、去年希美が悩んでいる時に何もしてあげられなかった罪滅ぼしでもあった。
2年生のごちゃごちゃした人間関係は大体こんな感じ。
物語は、みぞれがソロの吹き方で悩んでいるということを聞きつけた希美が、何かアドバイスをしてあげようと直接みぞれに話しかけたことで大きく動く。
思わず逃げ出したみぞれと、立ち尽くす希美。優子がみぞれを追いかける。
優子がみぞれに、自分は友達ではないのか、希美のためだけに部活を続けていると言うが、関西大会行きが決まった時、嬉しくなかったのかと問いかけ、みぞれを励ます。
後からやってきた希美に、みぞれは直接、何故あの日、自分を誘ってくれなかったのか尋ねる。希美は久美子に説明したようなことを平然と答える。
みぞれと希美とでは、互いに対する熱量がまったく違う。だから、みぞれの悩みを知ってなお、希美は軽やかに謝って済ませることができる。
もやっとするのはその解決。
久美子がモノローグ(地の文)でこう言っている。
きっとこれから先、みぞれの抱える想いを希美が知ることはないのだろう。
結局、二人の温度差はあるままだ。しかし、次のページでやはり久美子がこう言っている。
この二人はきっと、もう大丈夫だ。
うーん。
ここからはブログ主の感想だが、『響け!ユーフォニアム』という作品は、リアルなんだと思う。
自分は物語にハッピーエンドを求めている。完全なるハッピーエンド。現実にはないものを物語に求めている。
『響け!ユーフォニアム』は現実寄りの作品だ。だから、こういう少し通じ合わない部分を残したまま終わったり、久美子がなにげなく秀一と付き合ったりする。
梓と芹菜のことだって、二人は仲直りはしたが、あの後交流が復活するような空気ではなかった。
あみかとのことも、梓の本質が変わったわけではなく、解釈を変えて折り合いをつけただけ。それはとても現実的な解決だ。
キャラも背景も空気も描写も好きなのに、展開が合わないのはそういうところなのだろう。
なお、2巻では他に、1年生や3年生の話も少しあるのだが、メインは2年生なので割愛する。
アニメではこの希美とみぞれの温度差をどう表現するのか、そこに注目したい。
原作は温度差があるまま終わっている。実は希美もみぞれのことが特別だったなどということは、一切無い。
そのリアリティこそ、『響け!ユーフォニアム』の──武田綾乃という人の神髄と言えよう。
TVアニメ『響け!ユーフォニアム』2期1話の感想
『響け!ユーフォニアム』2期1話を見て、とりあえず原作の展開で行くのだろうと諦めた。
秀一展開にするフラグを1話から立ててきたので、やはり原作同様、最後は久美子と付き合って終わるのかな。
京アニは割と原作を改変するという噂を聞いていたが、残念ながらこの作品についてはそのまま行きそうだ。
秀一展開が嫌な理由は、くみれい展開にして欲しかったから。
そう書くと自分の単なる願望に聞こえるが、元々原作でも久美子と麗奈の仲はただの友情を超えている。
ただ原作者は、麗奈との友情と秀一への愛情を両立させられると考え、そういうふうに描いている。
しかし自分は、麗奈と秀一はどちらか片方しか選べない、対等の立ち位置にいると認識している。
だから、あれだけ麗奈と仲良くしていながら、最後に秀一に持って行かれるのは、NTRみたいで嫌なのだ。
ひとまずそれは置いておいて、秀一が嫌いなもう一つの理由が、作品の問題に特に絡みもせず、最後に主人公を持って行くこと。
1巻の麗奈と香織の問題、2巻のみぞれと希美の問題、3巻のあすかの問題。
そのいずれにも、秀一は何の役割も果たしていない。ただ、最後に主人公を落として終わる。意味がわからない。
例えばみぞれと希美の問題をなんとかしようと、久美子と一緒に走り回って、その中で久美子も秀一に惹かれていくとか、何かそういうのがあればわかるが、まったく何もせず、唐突に久美子と付き合って終わる。
常から、「久美子が秀一と付き合いたかったのではなく、原作者が久美子と秀一を付き合わせたかっただけ」と言っているが、それがその理由。
だから、アニメでは、もし久美子が秀一と付き合う結末にするのであれば、二人が惹かれ合うところを丁寧に描いてほしい。
自分はそれを見たくはないが、結末が変えられないものならば、いっそしっかりと恋愛を描いてほしいのだ。
次、葉月と緑輝について。
元々原作で麗奈がこの二人と絡むシーンは皆無に近い。一緒にプールに行ったくらいだと記憶しているが、会話は特にない。
今回アニメでは、その距離を縮めようとしている。それはいいことだと思う。
後は、そこに意味を持たせてほしい。
先程秀一の件でも書いたが、とにかく物語の本筋に絡んでほしいのだ。みぞれと希美の問題、そして後半描かれると思うあすかの問題に、この三人が何かしらの役割を果たしてくれたらと思う。
もしくは、滝と麗奈のあれこれに、葉月と緑輝が絡んでもいい。蛇足とは思えるが、そこは上手に意味を持たせてくれたらと思う。
次、みぞれと希美について。
可愛いね。いいと思います。
……今日現在、『響け!ユーフォニアム』の二次創作小説を、Pixivに24本公開している。総原稿用紙換算枚数1,200枚。
昔『To Heart』の二次創作もたくさん書いたが、あれは元の作品が展開も含めて大好きで、サイドストーリーを書いていた。
『響け!ユーフォニアム』はキャラや設定、雰囲気は好きだが、展開が嫌いで、ひたすらアナザーストーリーを書いている。
久美子と麗奈の関係、葉月と秀一の関係、優子と香織の関係、梓とあみかの関係。ことごとく、「どうしてそうなっちゃうんだ……」という展開に、ひたすら抗っている。
ただ、みぞれと希美は原作に満足している。アニメでは是非原作のまま描いてほしい。
友情について。
これは原作者が何か勘違いしたとしか思えないのだが、久美子が麗奈との友情がいつまで続くのか不安がる。
原作にこんな文章がある。
久美子は知っている。友情は永遠ではないことを。中学時代に毎日顔を合わせていた友達も、すぐに疎遠になってしまった。
いやあんた、「スタートしたかった」とか言って、わざわざ「知り合いがあんまりいない高校」を自分で選んだんだろ?(1巻2刷140ページ)
これ、原作者が久美子が北宇治に進んだ理由を忘れていたとしか思えない。
切りたかった友情を引き合いに出して、続けたい友情を不安がるのはおかしい。
アニメではこの辺は綺麗さっぱりなかったことにして欲しいのだが、1話の最後に「大好きな友達ともいつか離れ離れになって……」みたいなことをモノローグで言っているので、やっぱり何かそういう話にしたいのだろう。
不安でしょうがないが、しっかり見届けたい。
キャラも中の人も好きだが、結び付けたくはない。
タイムリーな話題だが、今ちょうどツイッターで、ユーフォ2期の放送直前ニコ生スペシャルがやってるよっていう情報が流れてきた。
気にはなるのだけれどね。でもやっぱり、自分は中の人には興味がないのだなって思う。
正確には、二次元のキャラと三次元の女性を切り離したい。
声優さん個人には興味がある。水樹奈々のライブとか行ったことあるし、竹達彩奈のCDとか持っている。
ただ、竹達彩奈は好きだけれど、例えばあずにゃんを見ている時に竹達彩奈を意識したくはない。
二次元のキャラを見た時に、三次元の女性の姿が脳裏にちらつくと、二次元キャラとしてどっぷりはまれなくなってしまう。
どこかで書いたか忘れたが、『響け!ユーフォニアム』という作品は、元々みりあの声の人が、他にどんな作品に出ているのだろうと検索して知った経緯がある。
みりあの声と久美子の声が同じ人なんだって、そこまではいいのだが、みりあや久美子を見た時に、黒沢ともよというリアルの女性を意識したくはない。
二次元はあくまで二次元だ。
特に自分の場合、ユーフォに関してはずっと二次創作をし続けている。
『日常の隣で』シリーズは真面目な内容ではあるが、元々微エロを含む作品であり、18禁指定してある作品では、これでもかというほどフェチっぽいエロを書き殴っている。
久美子と麗奈を夏の公園で昼間っから全裸でイチャイチャさせている最中に、三次元の女性の姿がちらつくのは嫌なのだ。
だが、先ほど書いた通り、別に声優さんが嫌いなわけではないし、黒沢ともよという人に興味がないわけでもない。
先日のユーフォの演奏会で、優子の声優さんが来ていたが、吉川優子としてではなく、山岡ゆりという一個人として喋っていた。
そういうのは平気だし、実際にとても楽しかったというのは、別のエントリーで書いた通り。
もしあそこで、「私は○○がよかった。○○だと思った」という話を、すべて「優子は○○がよかった。優子なら○○だと思う」というふうに話していたら、たぶん受け付けなかっただろう。
アイマスなどのライブにあまり興味がないのもそれかもしれない。声優さんがキャラとして歌っている(もしくは強く想起させる)のを見たくない。
本当に誤解して欲しくないのは、声優さん自身は好きだということ。
元々、こっちの世界に入った時から林原めぐみのラジオを聴いたりしていたし。あれも、林原が林原として喋っているからいいのだ。
モバマスをはじめ、アニメやゲーム系のラジオを聴かないのは、声優さんとキャラが強く結び付きすぎるから。
まあ、自分はそうという、主語のとても小さな話。何も否定しない。
自分がどうしてそういうものを見たり聴いたりしないか、その理由を書いてみた。
黄前久美子の引っ越し時期のメモ
『響け!ユーフォニアム』原作1巻2刷の169ページで、久美子が、
「私のお母さんと秀一のお母さんが昔からの友達らしくて、小三のときにこっちに引っ越してきてからはずっと家族ぐるみの付き合いなの」
と言っていて、自分の記憶でもずっと、久美子は小学生の時に引っ越してきたと覚えていたのだが、今日何気なく原作を読み返していたら、同196ページに、大吉山についての記述で、
保育園に通っていたころは、久美子もよく遠足でこの山に足を運んでいた。
とある。原作は展開が嫌いなのでほとんど読み返さないが、時々設定確認のために読み返すと、新しい発見があったり、自分の二次創作と矛盾してしまう記述を見つけてもにょったりする。
それはともかく、この部分の解釈がわからないので、またその内何か新しい記述を見つけるかもしれないので、ちょっとメモがてら残しておく。
宇治観光と北宇治高校吹奏楽部第1回定期演奏会感想(神奈川公演の追記少々)
もう24時も回ったし、寝たい感はあるのだが、今日のことをさらさらっと。
宇治まで『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽コンサートを聴きに行ってきた。
名古屋からだと2時間くらいで着く。8時に出発して、10時に到着。
とりあえず会場の下見に行くが、まだ何もない。そりゃそうか。
駐車場を出て、裏から縣神社の方に抜けて、久美子の家の向かいの駐車場に駐める。
事前に宇治十帖スタンプラリーのツイートがあったので楽しみにしていたが、10月22日からだった。
平等院へ。
宇治はユーフォが始まってから3回目、通算4回目だが、実は平等院は初めて。
それからまったく無目的に宇治橋通り商店街を歩いたりする。
観光と言うか、小説の資料集めの側面も強かったので、地元民である久美子と麗奈が、ここで生活しているイメージで。
JR宇治駅が遠いのはわかった。
表参道に戻って「ながの」という店で蕎麦をいただく。
京阪宇治駅へ。
宇治駅より北の河川敷の視察に行く。
金曜日の夜にPixivにアップした小説『RESTART』で、久美子と麗奈と梓に、北の河川敷で練習させたのだが、実際にそれが可能かを見たかったのだ。
練習できそうなスペースはあるのだが、降りる場所と、光がまったくない。うーん。公開した後だが、ちょっと内容を変えるか。
『思はぬ山に』というユーフォくみれい小説を書いた際に源氏物語を調べて、もうちょっと浮舟について知りたいなぁと。
ミュージアム到着が12時半。ぶっちゃけあんまり宇治でやることがなかったので、13時からと13時半からの映画を両方見て、14時くらいに出た。
源氏物語に登場する男たちは、とてもクズな気がするが、ああいうのがいいのだろうか。不思議だ。
今日は川が増水して、中の島に渡れなかった。朝霧橋が通行止めで、ぐるっと宇治橋を経由して駐車場へ。
その最中に宇治神社を見たりソフトクリームを食べたりしたが割愛。
車を出して、一応京アニショップに行ってみることにする。
その前に、やはり自作のくみれい小説『日常の隣で7』に出した菟道稚郎子の墓がどんなものか気になって見に行く。
場所が思ったより奥だったのと、想像以上にマイナーだった。麗奈が、これを知らない久美子を冗談でバカにするが、こんなの誰も知らないと思う。
京アニショップへ。
事前にすごい混んでいるというツイートを見かけたが、そのせいか、久美子と麗奈のグッズは軒並み完売していた。葉月と緑輝は残っていた。悲しい。
本を1冊購入して店を出る。何かすごい限定物でもない限り、もう行かないかな。
隣にあった満月堂という店で饅頭を買って、再び会場の宇治市文化センターへ。
16時くらいに到着。事前販売でプログラムだけ購入して、隣の図書館で時間を潰す。
ちょうど中学生向けの簡単な吹奏楽の本があったので読んだ。ああいうの1冊、小説の資料に置いておきたいところ。
トランペットとかユーフォニアム、先日アップした小説ではトロンボーンのことなんかも書いているが、実のところ金管楽器は扱い方とか全然わらかない。
コンサートの座席は最前列。
先日のClariSコンサートが最前列だったら泣いて喜んだが、吹奏楽を最前列で見ても、とてもいまいち。前の方の楽器しか見えないのが一番痛い。
トランペットもユーフォニアムもトロンボーンもまったく見えなかった。
後、座席が狭かった。なんばグランド花月より狭かった。まあ、始まったらあまり気にならなかったが、隣のおっちゃんやにーちゃんと腕が触れ合っていた。
さて、コンサート。
『DREAM SOLISTER』で開演。すごく良い。
曲が終わってから、司会のお姉さんと音楽プロデューサーの斎藤さん、優子の声優の山岡ゆりさんが登場。司会のお姉さんもユーフォ詳しそうで良かった。
次に『暴れん坊将軍のテーマ』と『海兵隊』の指導前Verを披露してくれる。
よくぞあんなに下手に吹けるものだ。山岡さんのその辺の突っ込みが面白かった。強豪吹奏楽部出身だそうで、山岡さんが全体的に面白かった。
途中でトランペットも披露してくれたのだが、上手だった。団員さんがリアルに驚きの表情をしていたのが印象的だった。
前述の指導後Verと、サンフェスの3曲を演奏して、休憩に。『RYDEEN』がむっちゃ良かった。
休憩の後は、『きらきら星』と『愛を見つけた場所』を演奏してくれる。
『愛を見つけた場所』はアレンジはCDの方が良かったが、演奏は今回の方が上手だった。
これはプログラムで斎藤さんも書いているが、団員たちが1期放映当時より遥かに上手になっていて、もう一度サントラCDを作り直してほしいほど。
特に香織先輩のトランペット。
その後『プロヴァンスの風』と『三日月の舞』を演奏してくれたのだが、香織先輩役の人のトランペットがものすごく上手だった。
なお、山岡さんはもちろん、確か斎藤さんも指揮の大和田さんも、麗奈より香織先輩のトランペットの方が良かったと言っていた気がする。
麗奈のトランペットはプロの人が演奏したらしいのだが、全体のまとまりとして見た時にどうか、という点。この辺、山岡さんが滝先生のジャッジも含めて、めった斬りにしていて面白かった。
一応プログラムの最後になる。
『DREAM SOLISTER』をTRUEさんが吹奏楽と合わせて歌ったのだが、むっちゃ上手い。それに声量がすごい。
アンコールで『トゥッティ!』と、たしか『Starting the project』を演奏してくれる。
ラストに2期のOPをTRUEさんが歌って終了。前作が「響け!」というテーマだったのに対して、今回は「届け!」という想いを込めて作ったそうだ。こちらも素晴らしい。
最後に斎藤さん、山岡さん、TRUEさん、そして指揮の大和田さんが挨拶して、休憩を含む2時間半近くのコンサート終了。
大満足。本当に満足だった。
もうじき2期が始まる。
個人的に2期の注目点は以下の3つ。
・秀一展開をどうするか。
今回のトークでもあったが、8話のあのシーンが一番人気なのは、制作側も把握している。ただ、実はあのシーン、割と唐突なのだ。麗奈が久美子を好きになった理由が弱く、久美子も随分急に麗奈を好きになっている。
にも関わらず、自分も含めてみんなあのシーンが大好きなのは、視聴者の多くが求めているのがくみれい展開ということだろう。
これは何度も何度もこのブログでも書いているが、原作者は麗奈との友情と秀一との恋愛を両立させたが、我々の百合の民には、それがよくわからない。浮気じゃないの?
原作通り秀一展開にするのか、なかったことにするか、それが最大の注目点。
もし原作通り秀一展開にするのであれば、秀一が活躍するのか、原作通り物語にまったく絡まずに、ただ主人公だけ持って行くのか。前者なら許せるが、後者は本当にやめてほしい。
・久美子の活躍。
元々この小説において、久美子は傍観者という側面が強い。
1巻は香織と麗奈のごたごたを、2巻はみぞれと希美のごたごたを見ているだけで、あまり解決のために動いていない。
2巻の主人公は2年生であり、ぶっちゃけ久美子視点である必要すら無いくらいだった。
久美子が2年生のごたごたを解決するために果たす役割は、見所の一つだと思う。
・葉月と緑輝の扱い。
すでに1巻の時点で空気だったが、原作でもどんどん空気になっていく。
久美子が麗奈べったりになった上、元々久美子自身があまり物語に絡まないから、葉月と緑輝が空気になるのは仕方ない。
自分が武田綾乃という人が好きになれない理由の一つでもあるのだが、葉月って秀一の久美子への想いを描くだけのために作られたような気がする。
香織も同様。麗奈のソロを際立たせるために登場しただけのような気がする。二人ともなんだか境遇に納得して相手を応援して、特に救いもない。
アニメでは葉月や緑輝に、もう少し出番があるといいなぁと思う。
最後に、今回やはり、「香織がソロを吹く展開に需要はある」と感じた。
単にソロの上手さだけではなく、そこに至る色々なことも含めてジャッジするべきだったと、山岡さんも滝先生に怒っていたが、本当にそう思う。
そのことは原作を読んだ時から感じており、昨年、報われない香織を救済するために書いた自作小説を紹介してこのエントリーを終える。
少しでも原作の展開に満足できなかった人の慰めになれば嬉しい。
【2016/11/21 追記】
昨日、神奈川公演の2回目の部に行ってきた。
席は1階の奥の方の一番端。前回宇治の時は最前列だったので、今回はトランペットやトロンボーンなど、すべての楽器を見ることができた。
音量はどうしても小さくなってしまうが、バランスは良かったように感じる。やはりこういうものは、ある程度後ろの、できたら真ん中で観賞したいものだ。
さて、公演時間は2時間10分だった。宇治の時は記憶では2時間半で、今回は随分と短かった印象。
もちろん、曲目は同じだし、1曲1曲の長さも同じ。つまり、トークが少なかった。
例えば宇治の時は、
・香織先輩と麗奈のトランペットの話。麗奈のトランペットはプロの人を使ったが、バランスとしては香織先輩の方が良かった。
・『愛を見つけた場所』がなぜチョイスされたのか。他に、サンフェスの選曲などについて。
・指揮の先生が滝先生のモデルになった話。録画して動きを研究したとか。
・サンフェスの曲は座って録った。臨場感も大事だが、アニメで見たらおかしくなるし、その辺のバランスについて。
などなど、他にもたくさんのトークがあった。
それらが、ほとんどまったくなかった。
ゲストの声優さんの影響もあると思う。
声優さんご自身の人間性は知らないが、実はあすかは1期ではあまり作品に絡んでいない。
だからきっと、優子の声優さんと比べて、1期の内容について、特に熱く語るような想いがなかったのかもしれない。
山岡さん、かなり白熱していたから、ものすごく面白かった。
特にトランペットの話。山岡さん本人もトランペットをやっていたこともあり、かなり思うところがあったよう。
マイクを持って走り回っていたのも覚えている。本人が1曲披露したのも、宇治公演が長かった理由の一つだ。
本エントリーで書いた『愛を見つけた場所』は、今回はCDと同じアレンジだった。とても良かった。
滝先生が来る前のバージョンは、より一層下手になっていた。ちょっとやり過ぎ感はあったが面白かった。
ユーフォの男の子が少し喋ったのは良かったな。オーボエの子の話も聞いてみたかったし、アニメの主要キャラの録音を担当した生徒さんの話をもう少し聞けたら良かったと思う。
そういった色々なことをふまえて、第2回がより素晴らしいものになることを願っている。
恐らく第3回は無い。ユーフォの人気がどうというより、メンバーが卒業してしまうから。
『ダッタン人の踊り』のフルバージョンとか聴きたいし、是非第2回はやってほしい。
ユーフォ:佐々木梓考2
前に「自分は佐々木梓があまり好きではないかもしれない」と書いた。
その理由を、「真面目で努力家なので、不真面目な自分が責められているような気分になる」と書いたが、ちょっと違う気がしてきた。
同族嫌悪だ。
『立華高校マーチングバンドへようこそ』の主人公、佐々木梓の抱えている問題・欠点・欠陥が、自分のそれと同じだったから、自己嫌悪に近いものだったのかもしれない。
梓の抱えている問題(本人はその欠点を認識はしているが問題とは思っていないようだが)は、相手にとって自分が必要ないと判断したら、その関係を切り捨てるところだ。
頼られるのが好きと言いながら、その実、頼ってくれる人がいることで自分を保っている。前に書いた通り、梓の方があみかに依存していた。
そこまではいい。
芹菜に自分以外の友人ができた時、あるいはあみかが自分の意志でガードに転向した時、梓はもはや芹菜やあみかにとっても自分は必要のない人間だと感じて、二人を切り捨てた。
これは、仲が良くて頻繁に遊んでいた友人に彼女ができた瞬間、まったくこちらから連絡しなくなった俺の行動に、とても似ている。
慕ってくれる後輩たちが可愛かったが、いざ結婚したり彼女ができたりして、彼らに自分以上の相手ができた途端、俺は彼らから離れた。結果として今、友達がいない状況になり、彼らに依存していたのは自分の方だったと知るに至る。
梓の抱えている問題はこれと同じなので、根が深い。
自分がずっと変われず、今でもこうなのを考えると、梓のこの性格や習慣を変えるのは極めて難しい。
梓は芹菜を切り捨てた後も、その時その時その場にいる誰かと仲良くやっていたし、あみかを切り捨てた後も同じだった。
最悪、その時その場に誰もいなくても、梓は一人でもなんとかできる。自分と同じだ。
誰かを必要としているが、誰も必要としていない。寂しいが踏み込む勇気はない。踏み込むくらいなら一人でいい。
梓とあみかの小説のプロットはほぼできていたのだが、梓の抱えている問題の根の深さに気付いてしまったので、ちょっとプロットを練り直す必要が出てきた。
自分がこの歳まで改善できないでいるこの問題を、どうしたら梓は直すことができるのだろう。
一つ、自分にはなくて梓にはあるもの。それは、心の底から自分を好きでいてくれる存在。つまりあみかだ。
原作者はそれを芹菜で表現して、どうしてそれをあみかでやらなかったのかわけがわからないのだが、いずれにせよ梓のこの問題をどうにかできるのは、梓のことを本当に好きな誰かしかない。
梓が問題と思っていない問題と、梓の視点であみかの気持ちを、上手く表現できるだろうか。
面白くなってきた。
『立華高校マーチングバンドへようこそ』感想
終業間際に『ユーフォ:佐々木梓考』というエントリーを書いて、帰りに『立華高校マーチングバンドへようこそ』の後編を買ってきた。
真っ先に一番最後を読む。エピローグ、それから少しずつ遡り、結末を知る。
ユーフォの秀一展開があって、この作者のことは信用していない。まったく信用していない。だから、後ろから読む。
今度ばかりは前編の流れを汲んだ結末になっているかと思ったら、全然そんなことはなかった。また裏切られた。
勝手に期待しただけだろうと言われるかもしれない。
ただ、前作だって1巻の内容でくみれい展開を期待し、最後の秀一展開で裏切られたと感じた人が実際に多かった。
これは作者のミスリードだ。もはやわざとやっているとしか思えない。
前編で芹菜という女の子は、梓にとって苦手な存在としてしか描かれていない。
地の文で「存在を意識するようになったのだった」などと書かれてはいたが、むしろ「いやいや、どうしてこの展開でそうなるんだ?」という内容だった。
まさかあの一文で、この芹菜展開を示唆したとでも言うつもりなのだろうか。
もはやじっくり読む気も起こらず、帰宅してからパラパラと流し読みした。
あみかとはどんどん離れていく。梓が無意識に突き放し、志保によって気付かされる。先に突き放したのはあみかの方だと言う。
依存していたのはあみかの方ではなく、梓の方だった。その辺も、思っていた通りの展開だ。悪くない。
ただ、そんなあみかとの関係で過去を思い出し、どんどん芹菜展開になっていくのはなんなんだ?
あみかとは最終的には折り合うが、前編のような雰囲気はない。対等な友人になったということなのかもしれないが、違う。こうじゃない。
自分の二次創作で久美子と麗奈を書いているが、二人ともべったりで共依存だが、対等であり、芯のある自分を持っている。対等と依存は共存できる。あみかが前編で言っていた梓のことを好きだという気持ちを、もっと大切に扱ってほしかった。
もうわけがわからない。この作者の展開はまったくわけがわからない。
久美子も麗奈も、香織も葉月も、そして梓もあみかも、みんな魅力的なのに、どうしてことごとくこういう展開になってしまうのか。
すごくいい食材が、意味不明な味付けで調理されて並べられた感じ。
自分の味覚が変なのかもしれない。しかし、繰り返すが前作の秀一展開で幻滅した人は多く、今回の芹菜も前編にはそんな展開のかけらもなかった。
もういい。俺が書く。
中学時代、孤立して、友達もおらず、高校で変わろうと頑張って、初めて出来た佐々木梓という大事な友達。
頼られる自分が好きであみかを利用してしまったことに気付き、改めてあみかという同級生を見つめ直す梓。
この二人の間に、芹菜という存在はまったく必要ない。
【2016/09/30 追記】
ということで、梓×あみか展開のアナザーストーリーが書き上がったので、このブログから初めて自作にリンクする。
検索で来てくださり、どうも原作の梓とあみかの関係が不完全燃焼だった百合の同士は、是非一度お読みくださいm(_ _)m