希望のない世界から

消化試合を生きる

後ろ向きに倒れること

昨日Y駅で、人が倒れた。

ふと顔を上げると、おじさんが後ろ向きに2、3歩ふらつき、そのまま後ろ向きに倒れた。

倒れた先におばあさんがいたのだが、おばあさんは自分にふらふらと近付いてくるおじさんに気が付き、事前に避けていた。

ゴンと大きな音がして、すぐに駅員さんが駆け付けた。

その場において自分にできることは何もなかったので、そこから先はわからない。病院に運ばれたかもしれないし、大事には至らなかったかもしれない。

2つ思った。

1つは、倒れるなら前向きに倒れたい。あるいは、膝から崩れ落ちたい。

意識を失って倒れる時に、そんな選択はできないだろうが、ああして後ろ向きに倒れると後頭部を強打する。

よくマンガやアニメで、敵に吹っ飛ばされて、背中から壁にドゴッて埋まるケースがあるが、あれも後頭部がやばい。

先に背中が当たると、その後に反動で後頭部が行く。

もう1つは、その場にいたのがおばあさんじゃなければ、容易に受け止められたこと。

昔、駅の階段で上から落ちてきた女性を受け止めたことがあるのだが(人生で唯一の人助けだった)、基本的に人を助けることなど頭にない、冷たい自分でも咄嗟にそうした。

もちろん、咄嗟に「それが可能」と判断したわけだが、あの場にいたのが男性もしくはもう少し若い人なら、それが可能だった。

避けたおばあさんはしょうがない。避けなければ巻き込まれて骨折でもしていたかもしれない。

 

病気系だったら可哀想だなと思うが、まあ酔っ払いだったら自業自得。

こうして文字にしたくなる程度には、昨日からずっと気になっているので、酔っ払いだったらと願うばかりである。