希望のない世界から

消化試合を生きる

増えること

タイムリーな話題だが、今Cookie Clickerというゲームが人気だ。

クッキーがどんどん増えていくだけのゲームで、最初はクリックするという能動的な要素があったが、ある程度時間が経つと、ただ見ているだけになるゲームである。

これが人気だ。

人とは、何かが増えるのが嬉しい生き物なのだ。最近の若者は物欲がないと言われるが、心のどこかではやはり、自分の所有する何かが増えていくことが楽しいのだ。

叩くごとにビスケットが増えるポケットに、僕らは恋い焦がれている。

もちろん、マイナスのものは増えてほしくない。マイナスの増大はつまり減少だ。

体重とか、借金とか、皺とか、愚痴とか、しがらみとか。

プラスのものはどんどん増えてほしい。

お金とか、友達とか、クッキーとか、夢とか、自由とか。