希望のない世界から

消化試合を生きる

アイマスライブの話~デレマス5thライブ静岡公演の感想

 シンデレラガールズの5thライブ静岡公演が終わって、完全なる抜け殻である。

 元々、「キャラに萌えたいので、中の人のことはなるべく知らないようにしたい」というポリシーがあり、従ってアイマスのライブは意図的に避けていた。例えば水樹奈々のライブには行ったことがあるし、声優さんが声優さんとして歌うライブは良い。ただ、声優さんがキャラとして歌うライブは、キャラのイメージが崩れる可能性を懸念して、なるべく近付かないようにしていた。

 ところが、4月の台湾旅行の日程が偶然アイマスのライブと重なり、直前にも関わらずチケットが余っていたので、せっかくなので行ってみることにしたのだが、これが面白かった。アイマスはアーケードとXbox 360しかやったことがないので、新しい曲はわからない。前述の通り、声優さんの情報はなるべく避けていたこともあり、亜美真美鏡音リンの人という程度しか知らない。にも関わらず、楽しかった。

 帰国後しばらくして、シンデレラガールズのライブが始まっていることを知った。この時すでに宮城・石川が終わっていたのだったか、ライブの存在は知っていたがLVのチケットがまだ買えることを知らなかったのかは忘れたが、とにかくようやくLVのチケットが買えることを知った時、大阪公演が初だったのだ。

 6月10日大阪2日目のLVのチケットを押さえ、単身で109シネマズに乗り込んだのが、まだたったの2週間前。

 これが、楽しかった。台湾よりも楽しかったのは、曲がほとんどわかったのと、自分が今本家やミリオンではなく、デレマスのクラスタだからというのはあったと思う。演出も素晴らしいし、何よりMCが面白い。ここのところ、MCがまったくないClariSのライブにしか行っていないので、声優さんたちの掛け合いがとても面白かった。

 懸念していた点は、意外と切り分けられるなぁと思った。確かに、智絵里のキャラと中の人のギャップは感じたりしたが、歌っている時は確かに智絵里だったし、それも含めて良かった。逆に松永涼のように、キャラには全然興味がなかったが、声優さんのおかげで気になったケースもあった。輝子もそうだし、きらりはどちらかと言うと好きではないキャラだったが、声優さんの歌や演技に感動した。

 ということで、静岡。モバマスのプロメンさんが初日現地の同行者を募集していたので、それに乗っかり、自分が車を出して参戦。入場がぐだぐだで開演時間までに入場できず、現地がこういうものならもうLVでいいやと開始前からげんなりしたが、どうやらかなり特殊なケースだったようだし、現地は現地でとても楽しかったのでそれは撤回。

 さわやか70分待ちもあって、25時に帰宅。バタリと寝た翌日日曜日、体調が悪くて10時に一度起床するも、12時から再びベッドへ。ぎりぎりまで寝てから、単身ミッドランドへ行き、LVを堪能する。20時間前に見たばかりなのに、新鮮に楽しめた。同じセットリストにも関わらず、まったく別のライブのように楽しめた。アイマス最高。

 本当に、どうして宮城、石川に行っていないのだろう。もっと言えば、モバマスを最初の小日向聖夜イベントからやっていながら、5thにして初参加というのがもうね。もちろん、前述のポリシーがあったから仕方がないし、当時行っていたらやはりキャラとのギャップに嫌悪感が出ていたかもしれない。自分の中で色々な価値観が変わってきたからこそ、今年から参戦して、楽しめているのだと思う。思うことにしないと悲しすぎて死ぬ。

 

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 静岡はなんだかんだ言って主役格のニュージェネ3人が誰もいないということで、少し不安はあったが、李衣菜の人が引っ張って、小日向の人とかみくにゃんの人、拓海の人や大和さんの人たちが交互に進行役を努めて、主役不在感はまったくなかった。

 個人的には乙倉ちゃんに期待して行った。自分の好きなキャラは、順番に小日向、卯月、響子、みりあ、ありす、そして乙倉ちゃん。その内の3人が揃っている静岡のなんという豪華メンバー。特に乙倉ちゃんはこの日が初ライブということで、初々しいところが見られるかなと思ったら、まったくそんなことはなかった。

 圧巻の一言。歌むっちゃ上手いし、ダンスキレキレだし、トークも堂々としたものである。初日最後の挨拶も、大阪が初だった人たちとは対照的に、涙を浮かべることすらなく、「楽しかったー、えへへ、ありがとう」みたいな感じで、完全に手練れだった。

 この人、よくぞ見つけてきたという印象。所属するアース・スタードリームというユニットのサイトを見ると、バナーベタベタの一世代前のウェブサイトで、三流感たっぷりなのだが、中の人は大物だった。『追い風Running』もだが、それよりも『心もよう』がすごかった。声の伸びがとても綺麗だった。

 そんな乙倉ちゃんの人も、2日目の最後の挨拶では瞳を潤ませていて、こっちもジンと来た。初日は確か珠美の人が少しうるっとしていた以外、みんな涙のなの字もなかったが、2日目は全然雰囲気が違った。そういうのは全然平気そうな(実際には知らないけど)みりあの人や小日向の人もうるうるしていたし、やはりその公演の最終日というのは特別なのだなぁと強く感じると同時に、基本的には2Daysは両日行かなくてはダメだと思った。トークの内容も違うし、同じセットリストでも新しい発見があって、2日間で1つのライブなのだと感じた。

 歌が上手かったというと、一ノ瀬志希の人。『秘密のトワレ』は圧巻だった。それから、飛鳥の人。歌もだし、ダンスもだし、トークの地とキャラの切り替えとか、なんだかもうすごかった。志希とか飛鳥は、モバマスでは「新しい」部類に入り、あまり印象がなかったので、このライブで興味が出たのは収穫だった。

 収穫というと、みくにゃん。元々ここ最近、自分の中でみくにゃんブームが来ていて、フリトレで制服メガネのカードを検索して、出ていなくてがっかりしたりしていたのだが、ライブのパフォーマンスでさらに好きになった。なんていうか、みくにゃんだった。ライブ中、3番目に多く見ていた。

 曲の話をすると、まさかの『Heart Voice』がサプライズだった。実はここのところ、『Heart Voice』を1曲エンドレスリピートで聴くなど、遅いブームが来ていて、ツイッターでもよく呟いていたのだが、その『Heart Voice』がオリジナルメンバー0人で披露されるとは思わなかった。完成度は正直、すべての曲の中で一番低かったかなと思うが、大変俺得だった。

 どちらかというとキュートの曲が好きなので、曲的には前半の方が楽しめたが、みくにゃんセンターの『ハイファイ☆デイズ』は素晴らしかった。後は『shabon song』かな。小日向とみりあって絡みが少なそうだから、こうして一緒のステージで歌っているのは珍しい印象。などとツイートしたら、この二人が登場するイベントがあったとのことで、だいぶ見てみたかった。デレステは引退済みなので残念である。

 さて、小日向の話をしないわけにはいかない。前述のポリシーにより、特に小日向については一切声優さんについて調べないようにしていた。割と濃いキャラだとは知っていたので、意図的に避けていたのだが、ライブではさすがにずっと小日向の人を見ていた。

 歌もダンスも可愛かったが、少し不完全燃焼。他の声優さんの、キャラとして喋ったりセリフを言ったりする頻度に対して、小日向はそれが少なかったかなと。小日向というよりは、小日向の声優さんという印象が強かった。思うに小日向って、声優さんをもってしても難しいのではないかな。正統派すぎて、特にこれといって特徴がない。まあ、だからこそ一番好きなのだが。

 逆に、これはキャラそのものだと感じたのがみりあ。初日の「みりあもやーらない」は、あれは台本があったのだろうか。利きジュース、利き茶のコーナーは、基本的には声優さんが声優さんとして進めていて、飲む担当の声優さんだけは、飲んだ後にキャラで評価するという感じだった中、みりあだけが始終キャラだった。全体的に、みりあだけはずっとキャラだった。

 静岡の感想を検索していると、みりあの人に違和感を覚えたというツイートが散見される。それと同時に、みりあの人は今までデレマスに対して、明らかに距離を置いていたというツイートが多く見られた。

 その真偽は、今回が初めて見た生のみりあだったから、自分にはわからない。ただ、みりあの人は元々声優ではなく、ドラマや舞台で活躍していた役者である。その出自からして、他の声優さんたちとは違い、キャラの担当としてではなく、キャラそのものとしてステージに立っているのではないか。だから、黒沢ともよという個人の素顔が見えず、距離を置いていたように見えただけで、実際のところはそんなことはないのではないかというのが、自分の感想だが、なにぶん初めてなのでわからない。中の人もデレマスが大好きであってほしいと思う。

 

 次は幕張。自分が挙げた好きなキャラの中では、ありす一人しかいないが、千枝ちゃんが楽しみだったり、ニュージェネが二人いたり、大槻さんの『Radio Happy』が聴きたかったり、とても楽しみである。もちろん、LVながら両日参加する。

 少し先、少し先に楽しみを作って生きていく。今回のライブツアーが終わった後、訪れるであろう喪失感が怖いので、9月以降も生きていく準備もしなくては。