希望のない世界から

消化試合を生きる

TVアニメ『響け!ユーフォニアム』2期4話の感想

1期は単行本1冊を13話かけてやったが、ほとんど同じ分量の2巻の内容を4話でやったら、まあこういう駆け足の内容になるよね。

原作を読んでいる自分には、直接描かれていない色々なことを脳内補完できるけれど、アニメだけを見た人は、話の内容は頭に入ったのだろうか。

元々主人公の久美子が傍観者の物語だから、どうやって久美子を絡ませてくるのか楽しみにしていたが、「なぜか大事な場面にそこにいるだけの女の子」になってしまった感が拭えない。

しいて挙げるなら、原作では久美子がみぞれを探すところで、あすかが声をかけている。その上で、あすかがみぞれのフォローを久美子にお願いしている。

地の文に、

状況を把握しているあすかが動かないということは、きっとこれは自分にしかできないことなのだ。

とあり、久美子はそう思って行動している。

まあその後、原作でも久美子はみぞれの本音の聞き手になっているだけで、フォローしたのは優子だが、多少は久美子の存在意義があったかなというところ。

 

もう一つ重要なのは、2巻の肝が伝わったのかという点。

原作最新刊『北宇治高校の吹奏楽部日誌』にある各巻の解説で、2巻の説明の最後にこう書いてある。

二人の気持ちはこの先もすれ違ったままだろう。その切なさ、もどかしさが、心に残り続ける。

2巻の最中でも、久美子が地の文でこう言っている。

きっとこれから先、みぞれの抱える想いを希美が知ることはないのだろう。

みぞれにとって希美は特別だが、希美にとってみぞれは特別ではないまま、みぞれが折り合いをつけて終わる。

アニメを見ると、どうもそのもやもやした感じが伝わって来ないのだが、それは自分だけで、みんなこのもやもやした感じがあの内容で感じ取れたのだろうか。

 

2巻の内容は深い。

深いが、主人公の久美子が2年生の問題に対して果たす役割が少なすぎて、これが限界かなという印象。

モノローグでべらべら喋るのも何か違うし、充分面白かったが、その辺りが残念だった。

 

さて、2年生の問題を駆け足で終わらせて、これから先、3巻の内容をじっくりやるようだ。

3巻は久美子の家族の問題や、同じユーフォニアムのあすかの問題、それから久美子と秀一の恋愛や、久美子と麗奈の友情の物語。

久美子が主人公ならではの展開になるだろうが、秀一展開が嫌で1回読んだだけだからあまり覚えていない。

ゼロの気持ちでアニメを楽しめたらと思う。