30代独身オタの哀愁

消化試合を生きる

『響け!ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』あらすじ

アニメの2期が始まったこともあり、ユーフォ原作の2巻を久しぶりに読み返してみたら、細部が自分の記憶と違っていたので、自分のメモがてら残しておく。

ネタバレありというか、ネタバレしかない内容なので、原作を読んでいない人はご注意を。

 

優子、希美、みぞれ、夏紀は同じ南中出身。優子、希美、みぞれの3人は中学から吹奏楽部だったが、夏紀は帰宅部だった。

みぞれは楽器になど興味がなかったが、希美が誘ってくれたので吹奏楽部に入った。

人と話すのが嫌いで友達もいないみぞれにとって、幼なじみでずっと仲良くしてくれる希美は本当に大切な友達だった。

みぞれが吹奏楽を続けるのは希美と一緒にいたいためだった。楽器だけが、唯一みぞれと希美を繋ぐものだった。

そんな希美が、みぞれに何も言わずに部活を辞めてしまった。

みぞれは誘われなかったことにショックを受ける。希美にとってみぞれは、たくさんいる友達の一人でしかなく、特別ではない。

その現実を知るのが怖くて、希美を避けている。

 

「その現実と向き合うのが怖い。あの子にとって私は大した存在じゃないって、それを突きつけられるのが怖いの」

 

希美は中学の時、吹奏楽部の部長だった。熱血で、夏紀とは対極的な存在だった。

3年間帰宅部でだらだら過ごした夏紀は、中学を卒業する時にそんな自分の生き方に疑問を抱く。

だから、高校では希美と同じ吹奏楽部に入ることにした。希美は夏紀の憧れだった。

ただそれでもまあ、夏紀の根本が変わるでもなく、当時やる気のなかった北宇治の吹奏楽部は、夏紀には居心地の良い場所だった。

希美にはそうではなかった。

元々先輩たちと折り合いは悪かったが、コンクールのメンバー発表で、自分たちだけでなく、香織たちもBだったことで、完全に決裂した。

希美たちは部活を辞め、多くは軽音部に行ったが、希美は踏ん切りがつかずに、地元の社会人の吹奏楽団体に所属することにした。

その時優子も誘われたが、優子は香織に引き止められたので部活に残った。

 

希美がみぞれに声をかけなかったのは、かける必要を感じなかったから。

みぞれは北宇治で唯一のオーボエでA編成だった。

久美子はその話を聞いて、希美はみぞれに嫉妬したのではないかと思ったが、恐らく本当にそんなことはなく、希美はその必要を感じなかったので声をかけなかった。

その後も希美はみぞれの友達だと思っているし、みぞれに避けられているとも思っていない。

 

さて、希美が辞めた時、希美はあすかに引き止められた。

しかし、感情的になっていた希美は、結局それを聞かずに飛び出した。

もし戻るなら、あすかから許可をもらわないと戻らないと宣言した。

後日、滝が顧問になったことで部活の空気が変わり、希美は部活に戻りたくなった。それであすかに頼みに行ったが、断られる。

理由はみぞれが希美を避けていたせいだが、あすかはその理由を希美には話さない。

希美の方ではみぞれに避けられているなどとは思っていないので、さすがにそれをはっきり伝えるほど鬼ではないと、あすかが自分で言っている。

なお、この理由を優子は知っていて、優子は希美のその鈍感さに腹を立てている。

はっきりとそういう記述があるわけではないが、ずっとみぞれの傍にいながら、みぞれが希美のことばかり考えているので、少なからず嫉妬心もあったのかもしれない。

夏紀はこのことを知らない。

希美の部活に戻りたいという願いを叶えるため、あすかに掛け合う。

それは、去年希美が悩んでいる時に何もしてあげられなかった罪滅ぼしでもあった。

 

2年生のごちゃごちゃした人間関係は大体こんな感じ。

物語は、みぞれがソロの吹き方で悩んでいるということを聞きつけた希美が、何かアドバイスをしてあげようと直接みぞれに話しかけたことで大きく動く。

思わず逃げ出したみぞれと、立ち尽くす希美。優子がみぞれを追いかける。

優子がみぞれに、自分は友達ではないのか、希美のためだけに部活を続けていると言うが、関西大会行きが決まった時、嬉しくなかったのかと問いかけ、みぞれを励ます。

後からやってきた希美に、みぞれは直接、何故あの日、自分を誘ってくれなかったのか尋ねる。希美は久美子に説明したようなことを平然と答える。

みぞれと希美とでは、互いに対する熱量がまったく違う。だから、みぞれの悩みを知ってなお、希美は軽やかに謝って済ませることができる。

 

もやっとするのはその解決。

久美子がモノローグ(地の文)でこう言っている。

 

きっとこれから先、みぞれの抱える想いを希美が知ることはないのだろう。

 

結局、二人の温度差はあるままだ。しかし、次のページでやはり久美子がこう言っている。

 

この二人はきっと、もう大丈夫だ。

 

うーん。

ここからはブログ主の感想だが、『響け!ユーフォニアム』という作品は、リアルなんだと思う。

自分は物語にハッピーエンドを求めている。完全なるハッピーエンド。現実にはないものを物語に求めている。

響け!ユーフォニアム』は現実寄りの作品だ。だから、こういう少し通じ合わない部分を残したまま終わったり、久美子がなにげなく秀一と付き合ったりする。

梓と芹菜のことだって、二人は仲直りはしたが、あの後交流が復活するような空気ではなかった。

あみかとのことも、梓の本質が変わったわけではなく、解釈を変えて折り合いをつけただけ。それはとても現実的な解決だ。

キャラも背景も空気も描写も好きなのに、展開が合わないのはそういうところなのだろう。

 

なお、2巻では他に、1年生や3年生の話も少しあるのだが、メインは2年生なので割愛する。

アニメではこの希美とみぞれの温度差をどう表現するのか、そこに注目したい。

原作は温度差があるまま終わっている。実は希美もみぞれのことが特別だったなどということは、一切無い。

そのリアリティこそ、『響け!ユーフォニアム』の──武田綾乃という人の神髄と言えよう。