希望のない世界から

消化試合を生きる

アニメ『響け!ユーフォニアム』の2期について考える

『響け!ユーフォニアム』のアニメ放映が終了した。

これまでにも色々書いてきたが、自分がこの作品で受け入れられないのは、最後に久美子と秀一が付き合うという1点だけであり、それ以外はとても気に入っている。

ただ、その1点があまりにも大きすぎるため、もにょもにょしているわけだ。いっそどうでもいい作品なら、こんなにもやもやしないのだけれど。

 

最終話を見ると、2期がありそうに見える。最後にあすかが見せた表情や、客席の2年生などは、先の展開を意識したものと思われる。逆に、続編が無いと、あれはなんだったのかという感じだ。

けいおん!』は1期12話の後、『けいおん!!』になって2期が24話で放映された。

『響け!ユーフォニアム』も2期24話で、2巻と3巻の内容を全部やって、秀一と久美子がくっついて終わりという誰得展開もあり得る。

少なくとも自分は見たくないが、感想を見ていると久美子のラブストーリーが見たいという声も多く、自分は少数派なのだろう。

 

2期が無いと考える持論がいくつかある。

まず2巻の内容が、2年生中心であること。

つまり、ただでさえ空気だった葉月と緑輝がさらに空気になり、なんか各種パッケージで主役っぽかったこの2人はどこに行ったんだよ感が出る。

それから、中心となる2年生がみぞれと希美なのだが、1期で名前すら出てきていないこと。

1期の続編的なものを期待している人からすると、何か突然出てきた知らない子の話に、主人公の久美子が巻き込まれているだけの、奇妙な印象がある。

そして、2巻で主役級の優子を、1期でああいうふうに描いてしまったこと。

あれはあれで嫌いではないが、あのキャラが突然周囲のことを考えてリーダーっぽく振る舞うのは違和感がある。

それに、2巻で優子はものすごくみぞれに肩入れしているが、お前香織先輩はどうしたんだよと思う。

2巻自体で久美子の性格や身辺がそれほど変わっていないのも一つ。

主人公として久美子を立てても、特に何をするでもなく、無理に絡ませても、2年生4人とあすかの物語感は拭えない。

2年生の大量退部や、優子が香織にこだわる理由などは2巻の根幹なのだが、それをもう1期で言ってしまっているというのも、2期が無く思える理由の一つ。

 

なお、3巻は、最後に秀一と久美子が付き合うと知って、途中で読むのをやめてしまった。

 

個人的な希望としては、原作はなかったことにして、完全オリジナルストーリーを展開してほしい。

つまり、久美子と秀一が付き合うこともなく、久美子が主人公として引き立ち、これまでに登場したキャラが中心で盛り上がるお話。

それなら是非見てみたいし、大歓迎だが、『SHIROBAKO』を見るにアニメにおいて原作者は絶対のようなので、それは無理だろう。

1期の最終話で、久美子と秀一の恋人つなぎをグータッチに変更したくらいが、せいぜい原作者の「とにかく二人をくっつけたい」という意向に逆らえる限界だったと感じる。

感想を読んでいたら、「仲も進展していないのに、あそこで恋人つなぎはおかしいだろう」というものがあった。

それをやったのが原作で、全体として秀一との仲に関する部分だけ唐突感があり、本当に『響け!ユーフォニアム』という作品のがっかり度を高めているので、未読の人は是非一度読んでいただきたい。

どう考えてもそこがテーマの作品ではないのに、なんだかなぁ。

 

2期はやりそうな気がする。

好きな作品なので見たいが、秀一とくっつく久美子は見たくない。

 

※秀一が嫌いな理由は別エントリーに書いているので、お暇でしたらどうぞ。→「『響け!ユーフォニアム』についてと、秀一が嫌いな理由」

ここに書いた通り、秀一がストーリーに絡むのであれば──例えば2巻のごたごたを、久美子と一緒に悩み、取り組み、解決するような展開であれば、別に秀一でも構わないと思う。

とにかく、物語に何も絡まないくせに、最後に主人公だけ持って行くという、新型のNTRが許せない。