希望のない世界から

消化試合を生きる

『響け!ユーフォニアム』のこと

我慢しきれず原作の小説を買ってしまったので、以後いつもの感想ツイート集は無し。

原作を読むと、つまり先を知っていると、新鮮な気持ちでは見られなくなる。

それは決して、つまらなくなるというわけではないのだけれど、ツイートしたくなるような衝動が湧き起こらない。

かわりに、原作を知っているからこその感想も出てくるのだが、、、

 

ここから少し先についてのネタバレありなので、要注意。

と言っても、本編とは全然関係なく、ただ久美子と麗奈の話についてだけだが。

 

その前に、原作もふまえた上で4話の感想。

前にも少し書いたのだが、原作小説のAmazonのレビューにこういうのがある。

「主人公は周囲に流される自分を変えたいと言っているが、最後まで自分の意志を貫こうとするシーンは出て来ない」(要約)

しかし4話を見ると、麗奈に頑張って謝ったり感謝を伝えたり、やる気のない先輩に話しかけたりしている。

原作はまだざーっと目で追っただけなので、見落としていたら申し訳ないが、これらのシーンは出て来ない。

つまり、アニメはこのレビューにあるような、「久美子、決意の割に変わってないねー」というのを意識的に改善している。

原作を知っている人は、ここ、注目ポイントかなと思う。

 

ここのところPixivに上げている小説が、グラブル、SAO、ヤマノススメ

無理して書いているわけではなく(というか、書けと言われても書けないが)、書きたい気持ちが抑えきれなくて書いている。

二次創作家の血だろうか。

ユーフォも、3話を見た段階で、「久美子を泣かせたいなぁ」とか、「麗奈にいじめさせたいなぁ」とか、色々欲求が湧き起こった。

それらが、原作を読んだら、綺麗さっぱり消えてしまった。

原作の久美子と麗奈が、良い。すごく良い。

 

Wikipediaにも書いてあることだが、麗奈は滝先生が好き。ラブの好き。

久美子は秀一をアニメよりは意識している印象。いや、アニメでもこれから意識し始めるのかな?

一応、「日本ラブストーリー大賞シリーズ」と書いてあるだけあって、そういう男女的な感情がちらほらある。

がしかし、そんなことより、久美子と麗奈の百合展開が素晴らしい。

予想外だった。本当に素晴らしい。

二次創作とは、原作では満足できない部分が少なからずあるからこそ書きたくなるのだと、改めて思った。

自分は、久美子と麗奈の関係を、原作のそれで満足してしまった。

 

お祭りのシーンで、麗奈が久美子に「好きだ」と言い始める。

冗談で「愛」などと言っているが、冗談に見せかけた本気なんじゃないかと思うくらい、愛を感じる。

久美子の方も、麗奈の耳を見て、いきなり「かじったら柔らかいだろうなあなんて、馬鹿なことを考える」し、並んで座ったら「腕と腕が絡まり、皮膚と皮膚が重なり合う」。

「うっすらと汗ばむ彼女の肌は、ひんやりとして心地よかった」らしい。

 

トランペットのソロで麗奈が先輩と揉めると、音楽室を飛び出した麗奈を久美子は追いかけ、その後二人で抱きしめあっている。

久美子の視点がエロい。要は地の文だが、「袖口から剥き出しになった、彼女の滑らかな白い肌」とか、「少女の輪郭から落ちる汗が、その鎖骨をするりとぬめる」とか。

どこのエロ小説だ。

麗奈を抱きしめる久美子の手つきのエロさも特筆したい。

「制服越しにもわかる、彼女の背骨。それをゆるゆるとたどっていくと、下着の部分で指が引っかかった」とある。

下着で引っかかったことより、ゆるゆるとたどったのがエロい。

その後座ったら座ったで、麗奈の脚に対して「紺色のスカートからのぞく、柔らかそうな太もも」という描写。

地の文とはいえ、あくまで久美子の視点だ。

そのシーンの最後、麗奈は立ち上がる時に久美子の手を取っている。

 

もちろん、やっぱり久美子は秀一に行くのかなという雰囲気はある。

が、訓練された我々は、そういうものに目をつむることができる。

ゲームセットの笛が鳴るまでは、二人の百合展開を楽しもうじゃないか。

原作、まだ本当にパラパラっと二人が出てくる部分しか読んでいないから、これからじっくり読んでみる。

どうしよう、思ったよりずっと男女のお話だったら。

その時は、心行くまで久美子と麗奈の百合百合二次創作でもしようじゃないか。