誤表示について
ホテルの食品偽装の問題で、新聞に「誤表示」と書いてあって違和感を覚えた。
「ロブスターを伊勢海老を称して提供していた」
こう書くと、なるほどまあ出していたものに対して、表示が(故意にではあるが)間違っていたと解釈できる。
では、この問題が収束したら、果たしてロブスターと書いて出すのだろうか。
他の食材にしてもそうである。
芝海老という表示を、バナメイエビにするだろうか。
そうはしまい。
プライドが残っていれば、表示に合わせた食材を使い、そのホテルの格にふさわしい料理を提供するはずである。
つまり、提供したいのは伊勢海老であり、ロブスターではない。
間違っていたのは表示ではなく、食材なのだ。だから、この問題を「誤表示」として取り扱うのはおかしい。
などということは、わざわざこうして言葉にしなくても、誰もが思ったはず。少なからず違和感はあったはず。
にも関わらず、影響力のあるマスコミが、この問題を堂々と「誤表示」と書くのはどういうことなのだろう。
それにしても、「間違える(誤る)」というのは故意に行うものではないと思っている。
まあ、「わざと間違える」という言葉もよく耳にするので、故意に行う場合でも使う言葉なのだろうが、やはり「間違えた」より「騙した」と言う方が、今回の問題はしっくりくる。
故意ではなかったのなら、ホテル側も「まさかロブスターだとは気付きませんでした」と言ってほしい。
ただ、そういうレベルの料理人しかいないホテルに泊まりたいかは知らないが。