希望のない世界から

消化試合を生きる

作ること

今作っているシステムに対するモチベーションがまったく上がらない理由を考えてみた。

自分は創作屋である。同人誌を作っている。20年近く趣味で小説を書いている。最近では作曲に挑戦して、ミクに歌わせたりもしている。挫折したが、マンガに挑戦したこともある。

作るのが好きである。作りたい衝動に駆られる。心にティンと来ると、表現せずにはいられない。このはてなブログも同じだ。

別に誰にも読まれなくてもいい。自分の曲の再生数が二桁でも気にしない。同人誌が売れないのは心が痛いが、おおむね創作はただの自慰行為であって、完成品を自分で見て満足している。

しかし、仕事は違う。

作るのは楽しい。基本的には楽しい。だからこの仕事をしている。それしかできないというのもあるが、やっぱり楽しいのだと思う。

しかし、モチベーション(原動力)の在り処は趣味とは少し違う。

自分が作りたいものを作っているわけではないから、やっぱりそのシステムによって誰かが喜んでくれることを期待している。

作ったシステムによって面倒になる人や、仕事を失う人もいるかもしれない。それでも、少なくとも誰か一人には喜んでほしい。

それが無い。今回のシステムにはそれが無い。

現場は現状で満足している。しかし、管理する人は現状に満足していない。だからシステム化する。

ところが、彼らは正解を持っていない。こっちに聞いてくる。

素人なりに考える。しかし、所詮は素人のアイデアなので喜んではもらえない。

彼らが提示する理想は、自分で判断できる疑似人間を一人プログラミングするような話で、到底実現できない。

現実的なこちらの案に、渋々GOサインが出る。誰にも喜ばれないシステムが、少しずつ構築されている。

途中経過を報告するたびに、彼らは「もっといい方法があるはずだが、まあこんなものか」とため息をつく。

遅々として進まないのは、仕様がぶれるからではない。作るモチベーションが低いからだ。

詰まるところ、気分で仕事をしている。プロ失格だ。